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日々のできごとのいろいろを気まぐれに書いてます。 ヴィゴ・モーテンセン (Viggo Mortensen) の “勝手にエヴァンジェリスト” なので、きっと(確実に)話題は多くなります♪ by Eriko


by dog_biscuit

『ザ・ロード』のシャンテでの上映が終了


TOHOシネマズ シャンテでの『ザ・ロード』の上映が終了しました。
上映期間が6週間というのはかなり残念。
確かに万人にお勧めできる映画ではない。また「暗い」と評したネットでの記事が多々あって、明るければいいのか?─とつい思ったり。

確かに『ザ・ロード』を覆うものは暗く重苦しいけれど、時折ささやかな心安らぐシーンがある。
暗さの中に(暗いからこそ)そのシーンがとても貴重できらめく瞬間でもある。
そういう時間を父とともにした息子にとって、父と過ごした思い出として記憶される。
この映画の中で、父は妻との思い出に苦しめられるのだが、返せばそれによって彼が過酷な世界の中で正気を保っていられる。そして息子の存在は生き続ける理由となる。
父は妻の思い出を息子に話すと、息子は「憶えていない」と答える。
父が自分の育った家で思い出に浸っていると、息子は困惑した表情を見せる。
人は思い出の中で生きて行くのではないが、思い出が生きて行く糧となるのは間違いないし、生きることを豊かにするだろう。
過酷な世界の中で息子が父と共有したできごとは、父を思い出す時にともによみがえるだろう。虹の色、きらめく水の冷たさ、はじけるコーラの味と匂い、そっと耳を塞いでくれた父の手の感触……
父は息子とともにこの先も旅を続ける。そして、たどり着く先はエンドロールで聴こえてくる世界であって欲しい。

私にとってこの時期に『ザ・ロード』を観たことは、近年私自身の体験とリンクする部分があったせい(無理矢理?・笑)、とても心揺さぶられるました。
映画を観終わった後、離れている家族や親友に無性に連絡をとりたくなる─というヴィゴの言葉に納得したり。

東京のTOHOシネマズシャンテでの『ザ・ロード』の上映は終わってしまいましたが、今日から一週間限定で有楽町スバル座で上映されています。
また、ゆっくりですが全国各地に行きます。
『ザ・ロード』のシャンテでの上映が終了_b0061082_21515638.jpg

by dog_biscuit | 2010-08-07 21:52 | 映画